在宅ケア支援研修会
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第4回在宅ケア支援研修会

第4回研修会では、「高知県内での在宅栄養管理の現状と課題について」というテーマで2名の先生方にご講演をいただき、その後、多職種共同でグループワークを行いました。

研修内容
講演Ⅰ  渭南病院 管理栄養士 井上美由紀先生
在宅訪問栄養指導を平成25年2月より開始した。在宅、介護施設における食の問題点として不十分な水分摂取や食事摂取、嚥下障害のある人への不適切な食の提供(食形態、姿勢や介助方法等)による脱水、低栄養あるいは、窒息、誤嚥性肺炎による入退院が繰り返されている現状が浮かびあがった。口腔機能維持のための口腔ケア、食事指導等日常生活指導などを含む多職種による「食のサポート」が重要であると考え、在宅栄養管理システム構築に向けての取り組みを行い、在宅連携室とNSTメンバーで地域に向けた勉強会を開催。また、管理栄養士による介護職、地域住民への啓発活動を行なっている。
訪問栄養指導開始当初は、そんな簡単なものではなかった。現場、在宅スタッフ、本人、家族の声に直面し、指導ではなく、支援が必要だと気づかされた。各家庭、その人により人生の価値観は異なり、求めるゴールは違う。わかりやすく、シンプルに、実行・持続可能な支援内容であること。主観的ではなく、客観的な評価であること。家庭、施設、医療機関との連携。幅広い食支援情報が必要である。在宅での栄養士の役割としては、家での食事状況をデータとして、医療者、サービス提供者へ示すこと。
介入後、栄養改善により意欲も沸き、ADLの改善にもつながる結果が出ている。今後、客観的な評価ツールの作成、幅広い食支援情報の紹介、在宅での栄養状態、嚥下状態のスクリーニングを実施することが必要ではないか。
在宅の利用者様、家族は住み慣れた家で、自分が今まで食べ慣れた物を食べながら残りの人生を少しでも長く家で過ごしたいと望まれている。その思いをできるだけ長く叶らえれるよう食を通じて支援していきたい。

講演Ⅱ  訪問看護ステーションあたご 所長 安岡しずか先生
在宅での栄養管理の難しさは、在宅療養者はいろいろな疾患を抱えており、「多角的」「多面的」そして「多種」であり、長期の経過をたどり、個別性を考えて「環境因子」に働きかけなければならないことも多い。しかも、それはいずれも食生活と密接に関わる疾患である。従って 医療機関と地域の連携が重要になる。食事内容だけではなく、食欲不振への対応、基本的な栄養素の摂取状況の判定や食形態の検討も必要である。栄養状態を安定させることは、身体をより良好な状態に維持できると言うことである。そして、在宅療養者・介護者、ひとり一人に生活者としての歴史、家族の歴史があり、それぞれの態様により関わりを変化させていく必要がある。高齢者が住み慣れた自宅での生活を維持させるためには、免疫力や意欲を維持するための食べる支援、病院との日常的な情報共有による退院後の支援のイメージの共有、即座に対応できるような多職種の在宅栄養支援者を増やし、介護の重度化を予防していくことが大切である。
栄養の問題が「あるかどうか」に誰が気付くのか? また、「いつ」「どのように」発生したのか? 介護者・本人の栄養問題の「評価基準は?」 栄養補助食品や治療食の経済的負担は? 等、在宅栄養には課題がある。
今後、地域において栄養マネジメント・リハビリテーション栄養について認知を深め、在宅での簡便な栄養指標ツール(MNA等)を活用する。医療機関(NST・褥瘡・緩和ケア)各チームと在宅チームと繋げる。そして最後に在宅栄養ケアの拠点をつくることが課題である。様々な事例を通して、多職種連携の課題、専門職の役割、連携の仕方を考えていけたらと思っている。

最後のグループワークでは、本研修会企画委員 宮本寛先生(高知リハビリテーション研究会 会長)をコーディネーターとして「多職種で関わる在宅支援について」討論しました。
話し合いのルールとして・・・「現実的」・「理解可能」・「測定可能」・「行動的」・「達成可能」なもので『明日から実践できるもの』についてまとめ各グループ3分で発表する。

発表内容
① 地域ケア会議に参加して食の大切さを発信する。ホームヘルパーさんへの調理実習講座を開催する。
② 客観的栄養スクリーニングをする。栄養状態・咀嚼・嚥下の評価をする。在宅療養関係者に向けた統一された情報提供書があれば良いのでは?
→高知県栄養士会のHPの情報提供書を当面は活用し、徐々に改良したらどうかという意見があった。
③ 歯科衛生士と栄養士との連携のために口腔ケアと栄養とがリンクした研修会を開く等々の意見が出され研修会を終了しました。



<アンケートより>
講演1・2-参考になった点
・訪問して一緒に相談できる機関が増えてきたこと。
・在宅医療の問題点、いくつか共感する点がありました。栄養と口腔の連携が必要であることを痛感しました。
・単に栄養を摂るだけでなく、介護する人、される人に合った食のアドバイスが必要であること。褥瘡の話は非常に参考になりました。

感想(今後、多職種共同で在宅ケアを推進するためにあなたが今できること等について)
・他職種を知ることからはじめたいと思う。自分の行っているケアを次につなげることができるよう、他職種、家族、本人に伝えていきたい。
・在宅で介護が困らないよう、食支援ができるような体制を栄養士と歯科衛生士が連携してもらえば、安心して在宅生活が送れると思います。
・在宅栄養ケアの大切さを普及・啓発していくこと等の意見が挙げられていました。

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